糖尿病を治療する目的は、今の症状をどうにかするということではなく「将来的な合併症の発症を予防し、健康な人と同じような生活を送れるようにすること」です。
そのために、「食事・運動・薬」の3本柱で治療をすすめます。「薬さえ飲んでいればいい」というわけではないのが難しいところですが、少しずつでも気をつけることで治療の効果が高まります。
糖尿病のコントロールがうまくいっているかどうかの指標として、「HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)」を使います。
境界型(いわゆる糖尿病予備軍)、または、糖尿病でもHbA1cがそれほど高値でない方は、まずは食事・運動療法からはじめることが多いです。
食事療法についてはこちら、運動療法についてはこちらで詳しくお話しています。
薬の治療では、「インスリン抵抗性」と「インスリン分泌能」、その他の持病などによって、個々人に合わせて薬を組み合わせます。
インスリン抵抗性は、インスリンの効きやすさをあらわす指標です。インスリン分泌能は、自分の体からインスリンをどのくらい出せるかをあらわします。
インスリン分泌能は、インスリン注射を使うかどうかに大きく関わる指標です。インスリン分泌能が低くなっている方はインスリン注射が必要ですが、分泌能が保たれていれば飲み薬だけでコントロールすることもできます。血糖値が非常に高くなるとインスリン抵抗性や分泌能に問題を起こすことがあり、その場合は一時的にインスリン注射を使い、膵臓を休ませることも必要です。
また、時間経過によってもインスリン分泌能はだんだんと低下し、最終的にはインスリン注射が必要になることもあります。
薬物治療については、こちらで詳しく解説していますのでご覧ください。