①妊活中、妊娠中、授乳中は薬を飲んでいても平気ですか?
妊娠初期は、バセドウ病の治療薬が胎児に影響する可能性があります。妊娠の希望がある方は、事前にご相談ください。妊娠がわかったときは、早めにお知らせください。
橋本病の治療薬は、妊活~授乳まですべての期間を通して胎児·赤ちゃんへの影響は問題ありません。橋本病の方は流産·早産·妊娠時高血圧症候群などのリスクがあるため、治療薬を続けることが大切です。妊娠中は甲状腺ホルモンの必要量が増えるので、治療薬の量も調整します。妊娠がわかったら、早めにお知らせください。
②海藻を食べても問題ありませんか?
海藻を味噌汁に入れたり、小鉢に少し食べる程度であれば治療には差し障りがありません。大量に海藻を摂取すると、甲状腺機能の低下を引き起こすこともありますので、食べすぎには注意してください。
特定の検査前などには、海藻をはじめとしたヨウ素の多い食品を控えていただく場合もあります。
③家族に甲状腺の病気を持つ人がいるとかかりやすいですか?子どもに遺伝しますか?
バセドウ病も橋本病も、「なりやすい体質」は遺伝することがわかっていますが、親が甲状腺疾患なら子どもも必ず発症するというわけではありません。
体質に加えて、強いストレスや妊娠·出産、ウイルス感染などの出来事があると、それをきっかけにして発症する場合があります。家族·親族に甲状腺疾患の方がいなくても、発症することは少なくありません。
④スポーツをしても大丈夫ですか?
バセドウ病の方は、甲状腺ホルモンの値が高い間は運動を控え、安静にした方がよいでしょう。心臓に負担が大きいためです。
橋本病の方は、とくに運動制限はありません。
参考
・一般社団法人 日本甲状腺学会. 診断ガイドライン
https://www.japanthyroid.jp/doctor/guideline/japanese.html
・一般社団法人 日本内分泌学会. バセドウ病
http://www.j-endo.jp/modules/patient/index.php?content_id=40
・一般社団法人 日本内分泌学会. 橋本病(慢性甲状腺炎)
http://www.j-endo.jp/modules/patient/index.php?content_id=41